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釿(ちょうな)

釿(ちょうな)を使って太鼓梁の加工をしてもらいました。

1.5層分吹きぬけた空間に掛かる小屋梁。
天井高さを余り意識させない引き締まった空間を創りたいと想い、
設計の段階で其処に一本の梁を掛けることにしました。

釿(ちょうな)_c0049902_20163560.jpg
図面で「末口7寸の太鼓梁」と書くのは容易ですが、
作り手側からすると、そこからが大変・・・。
試行錯誤が始まりました。

結局、杉を太鼓に落とした皮付きの材に釿(ちょうな)を掛けて、
梁の上端と下端を「名栗面」で少しラフに仕上げてもらうことにしました。

釿(ちょうな)_c0049902_2017788.jpg
釿(ちょうな)という道具を、設計した建物の現場使うのは今回が初めてです。
加工の様子を、事務所の皆でじっくりと見せて頂きました。

以前、宮大工西岡棟梁の「薬師寺西塔再建・記録用ビデオ」の中で見た釿(ちょうな)が、
今回、実際の現場で使われるのを見て何だか感激です!

さすがに槍鉋(ヤリガンナ)は登場していませんが・・・。
Commented by mitsuhiro at 2008-10-21 20:51 x
へ~っ、浜松でもチョウナを使う職人さんがまだいるんですね。なんかワクワクしてきます。こちらの仕事ではまったく縁が無いので、てっきり社寺の世界かと思っていました。作り手の痕跡が残る仕上げはいいですよね。いまではみんな工場加工、乾式といった味気ないものばかりでつまんないですね。職人さんの技術を発揮する仕事(そういう設計)がなければ職人さんの技術は継承されないですね。設計する身としてはけっこう大きなものを背負っている気がします。
Commented by a-kashi at 2008-10-21 21:51
バタバタ造っても、バタバタと壊されることが少しづつ社会の中で認知されてきたような気もしますネ・・・。のんびり、がっつり、しっかりと造ることが一番楽しいですね・・・。
by a-kashi | 2008-10-21 20:23 | 記録:甍のすまい | Comments(2)