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天秤梁

棟木から軒桁まで12尺。垂木で飛ばすにはスパンが大きい。
小屋廻りの軒桁と、棟木の中間レベルで、ある程度の剛性を確保し、小屋組みを構成したい。
こうしたことを考える過程で、架構に天秤梁を用いることが多々あります。

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天秤梁を受けるのは地棟です。
地棟の上に天秤梁を掛け、その両端に母屋を流します。
小屋組みが 棟木と地廻りの中間レベルである程度固められます。
また、天秤梁で持ち出すことで、垂木のスパンは9尺に抑えられるので、
軒天に現れる化粧垂木も程よい寸法になって来ます。

上の写真は構造表しの段階、下の写真は天井を張った段階です。
地棟を棟木に見立て、緩勾配で天井を張っています。
屋根勾配として欲しい寸法と、屋内の天井勾配が異なることは間々あります。

そんな時にも、天秤梁を用いて架構を構成することは、
ひとつの答えを導くことになるかも知れません。

先人の知恵を借りて、今日の意匠を叶える。
僕達の仕事は少しづつ重ねて行くものだと思っています。
by a-kashi | 2017-03-16 20:50 | 記録:南の庭と北の庭 | Comments(0)