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フィンランド その4 「アカデミア書店」

空港からヘルシンキ市内への移動中、
「文化の家」が車窓を通り過ぎましたが、
今回の旅で初めて訪れた、アアルト設計の建物は、
宿泊先のホテルから徒歩2分にある「アカデミア書店」でした。

ここでは、吹き抜けのプローポーションについて ひと言・・・。

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ちょっと勇気のいる大きさのトップライトが、
書店吹き抜けの中央に設けられています。
室内側に張り出したガラスのフレーム。
今思うと、増沢事務所在職中に、こうしたトップライトを事務所の先輩がトライしていました。

そんなことはさて置いて、この居心地の良い吹き抜けの謎に迫ってみます。


写真を観て頂いて分かる様に、吹き抜けに面する3階部分の腰壁の高さが、
2階部分の腰壁よりも大きくなっています。
天窓に近い3階部分は絞り込み、下階に光を届けようという想い。
そんなアアルトの心遣いが感じられます。

キャンティレバーによる、スラブの持ち出し寸法にも、微妙な変化をつけています。


改めて考えたのですが、書店の階構成の特徴として、
上階に至る程、専門書が多く、閉じた落ち着いた空間を求められることとも、
こうした建築的な構成とマッチしている様に思われました。



単に、見せ掛けの形だけで物事を決めるのではなく、
物の道理のその先に建築があるという、当たり前のこと。
「アカデミア書店」は、本当に素敵な本屋さんでした。
by a-kashi | 2014-06-23 21:57 | 北欧 訪問 | Comments(0)