墨付け・刻み

構造材が大工加工場に搬入され、墨付け、刻みが始まった。
浜松市西部に位置する、入野町の住まい。

材は天竜川流域で伐採された杉・桧。
森町の製材所で製材されたものだ。

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現在、木造住宅の構造材として使われているのは、集成材が主流。
小径木をスライスし、接着剤で重ね合わせて作られている。
エンジニアリングウッドとも呼ばれ、
工業製品のように強度や寸法が安定しているとされる。
こうした集成材が出まわる前は、特に梁などの横架材では米松が用いられていた。
僕自身も、これまでにも、米松、ホワイトウッドや唐松の集成材を使用したこともある。

北米産の米松は、乱伐の為に生産制限されたりして、
以前のように目の詰んだ良材が入り難くなっている。
集成材は、強度のバラツキがなく乾燥も行き届いているが、
木造の継ぎ手や仕口の加工を行った場合に、材が脆く粘りが無くなっているような気がする。


今回の現場は、地場の杉、桧を使用している。
アトリエ樫で設計では、8割方こうした地場の材料を使用している。

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信仰のように、国産材を使うというのは好きではないけれど、
地元の木を無垢材として使用するのが、最も好ましい在り方だと思う。
生産者と製材、施工、設計、住まい手が、言葉の届く近い距離にいることが大切だ。



実際に手に取り、木目から反りを見たり、将来起こり得る材の割れを想定したりと
1本1本確認しながら、木の使いまわしを考える大工さん。
物と対峙する中で実際に生まれる知恵や技術を、僕達は失ってはいけない。
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by a-kashi | 2005-06-08 17:29 | 記録:入野のすまい | Comments(0)