2005年 04月 30日
増改築
昭和8年に造られたという住まい。
洋館の趣きを持った素敵な住まいでした。
住まいの設計に関わる仕事に携わる中で、
新築の仕事との出会い、増改築の仕事との出会いがある。
本来住まいはスクラップ&ビルドで造られるべきものではない。
住まい手の暮らしの変化に対応して増改築という選択が、
より多くの住宅で行われるべきだと思う。
こうした形で住まいが更新されなければ、街の景観が醸造されてゆくことは有り得ない。
今日の住まいの寿命は物理的なものではなく、
住まいに対する想いが途切れた時に、その多くは最後を迎える。
残したい住まいとは、そこに暮らす人達の多くの記憶を刻む住まい。
劇的に変えるという短絡的な増改築ではなく、そこに暮らす人達の想い、
心象風景を共有すること。
そして、其の先に新しい暮らしのかたちを見出し、
その住まいの持つ魅力に磨きを掛けることができれば・・・。
増改築という仕事。
「人がいて住まいがある」という極めて基本的なことを再認識させる大切な仕事だと思う。
by a-kashi
| 2005-04-30 20:15
| 建築
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